1995年の和解時に定められた条項によると、M社は、たとえばウィンドウズのような製品と、たとえばウェブブラウザのようなべつの製品を抱き合わせにして販売してはならないことになっていた。
だが、このあいまいな条項は、M社が自社のソフトウェアに新たな機能を組み込む権利は認めていた。 マイクロソフトは、ウェブブラウザはウィンドウズの機能のひとつだとしていた。
「インターネットエクスプローラはそもそもブラウザではない」M社の重役で、最高業務執行責任者でもあるH氏は主張した。 かつてはブラウザだった。
たしかに、パソコンのデスクトップにはインターネットエクスプローラのアイコンがある。 しかし、あのブラウザはOSの一部であり、独立したアプリケーションではないのだ。
合衆国司法長官のR氏はこの主張を受け入れなかった。 「M社は、ウィンドウズによる独占状態を違法に利用し、その独占状態をさらに拡大することで消費者の選択の機会を奪っています」R氏はいった。
エクスプローラ4のロゴをウィンドウズのデスクトップから消す方法を指示すること。 そのうえで、裁判所は、M社が従うまで1日あたり100万ドルの罰金を科す決定をくだした。

司法次官補は、記者会見で政府の見解を明らかにした。 M社は、ウィンドウズの支配力を利用して自社のブラウザをコンピュータメーカーに押しつけた段階で、限度を超えてしまった。
R氏とC氏は、M社の守秘義務契約も攻撃した。 たとえ司法省に召還されることがあっても、M社に関する情報を明かしてはならないという、1種の業界の慣例だ。
C氏は、そのような契約は司法省には適用されないので、M社に対して苦情がある人びとはぜひ名乗り出てほしいと励ました。 C氏とR氏は、M社のほかの業務については禁止しなかった。
そこには、間近に迫ったインターネットエクスプローラ4とウィンドウズとの統合や、当時は明らかにされていなかったが、E氏のアップルヘの出撃も含まれていた。 捜査に拍車をかけたのは、ユタ州の上院議員をつとめるH氏だった。
彼は上院司法委員会の議長として司法省の監督をしていた。 司法省が見解を明らかにしたその日、H氏は、マイクロソフトのビジネス手法について委員会のほうで大がかりな調査を進める予定だと語った。
H氏は、M社の業績は称賛に値すると前置きしたうえで、こういった。 OS市場で成功したからといって、揺るぎない独占を永遠に続ける権利があるわけではないし、パソコンからインターネットへのアクセスを独占する権利があるわけでもなど政府が最初の一撃を見舞ったのだ。


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